【シリコンバレーの一流投資家が教える 世界標準のテクノロジー教養】⑥DX推進に向けて
1.「シリコンバレーの一流投資家が教える世界標準のテクノロジー教養」
第6章を読んで
今日は第6章「DX デジタル化の本質」についての要約と考えたことの2点を述べていきます。
DXの中心的なテクノロジーとして、SaaS、リテールテック、フィンテック、ロボティクスがある
<DXとは>
「組織として、お客さんの困りごとに寄り添い、さまざまな解決案をたくさんの人が出す。そして素早い仮説と検証を繰り返せること」
<価値の見える化>
例:ANAとユナイテッド、この場合のKPIはお客さんの体にかかる負担やストレスの軽減
ユーザーの体験から感情を中心に引き出す
デジタル技術とそれを使いこなすプロセス、そしてこのプロセスを可能にする組織
<日本企業がやるべきこと>
「本当に顧客と向き合い、彼らのペインポイント、ニーズ、どのように価値を提供できるか、顧客目線で考えられるかに本気で取り組むこと」
<大事なポイント>
・組織の様々な人物が色々な考え方をできるか
・データの妥当性を見極められるか
数字は一見客観的な概念だが、本当に測りたいものを測っているとは限らない
常にCS(顧客満足)、展示会などのベンチャー企業に関するニュースに触れて、月1で自分の力で情報のアップデートする必要がある
2.考えたこと
- DXの現状について
- DX推進と向き合ううえで大事にしたいこと
- DXの現状について(調べたことが中心)
2018年、経済産業省が「DX推進ガイドライン」を発行しました。
このガイドラインの発行目的は以下の通りです。
「DXの実現やその基盤となるITシステムの構築を行っていく上で経営者が押さえるべき事項を明確にする」
「取締役会や株主がDXの取組をチェックする上で活用できるものとする」
つまり、DXを推進していく組織にとって必要なことをまとめた手引きのようなものです。
そして、このガイドラインを読み進めているなかで、1箇所ハッとさせられた記述がありました。
それはDXの定義の部分です。
本ガイドラインでは、DXの定義は次のとおりとする。「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」
この「競争上の優位性を確立すること」という記述から、DXはデジタル化やIT化とは違うものであることを示している印象を受けました。
デジタル化、IT化はあくまでもDXを推進していくためのひとつの段階にしか過ぎません。
わたし自身、DXについて詳しく調べるまではDXとデジタル化、IT化との具体的な違いがわかりませんでしたが、この図から考えがすっきりしました。
一方で、「2025年の崖問題」という問題も提言されています。
わたしはこの問題を「2025年までにDXの導入を実務でできなければ、世間の需要に追いつけず、以降12兆円/年の経済損失が生まれる」という解釈をしました。
「実務」というところが大きなポイントだと思います。
規模感にもよりますが、会社というのは直接現場にかかわる部署と役員など経営にかかわる部署で二分化しているところが多いです。
各部署における導入の難しさもあります。
しかし、この資料からも分かる通り、もはやDXの導入は急務と言わざるを得ません。
- DX推進に向き合ううえで大事にしたいこと
推進、推進、、、推進は急務!としつこく言っていますが、あくまでもDX導入は企業活動をより発展させるための「手段」でしかないというところは忘れてはいけません。
また、本書でも触れられていますが、DXは「素早い仮説と検証を繰り返せること」
従来では難しかったこの「素早さ」の部分が具体性を持って実現できるところがポイントだと思います。
成功事例も少しずつ積み上げられているようです。
これらをいかに自分ごとにできるか、取り入れられるところはないか、教訓になるところはないかを考えて、実行していく時が今です。
しかし、これはあくまでも企業活動の一部ということも忘れてはなりません。
新しい価値を創り、利益を生み出すという会社本来の目的を見失わずに向き合っていくことも重要だと感じました。
【出典】
シリコンバレーの一流投資家が教える 世界標準のテクノロジー教養
DXとIT化は違う!DX化の必要性やメリット、成功のポイントを事例つき解説
DXレポート(経済産業省、2018)